ルノー トゥインゴの車高調、試乗できます
2024.07.11
ルノー トゥインゴの車高調、試乗できます。
全長約3.6m強×全幅約1.6m強というコンパクトなボディに、リヤエンジン/リヤドライブというマニアックな駆動スタイルを採用し、ルノーらしいアバンギャルドかつキュートなアピアランスをもつトゥインゴ。狭い道でもストレスなく走れるため都市部で特に重宝されがちなモデルだが、ラテン車らしい小気味よいドライブフィールを提供することでも定評がある。
見た目からも想像できるキビキビしたハンドリングはクルマを操っている感を満喫させ、欧州製コンパクトカーに特徴的とも言える跳ねるような走り味もトゥインゴらしさを演出。ただし、絶対性能は知れている。0.9リッター直3ターボは最高出力100PSに届かないし、最大トルクは僅か135Nmに過ぎない。この車格なら充分ではあるけども、ここにTEZZOのエッセンスをひとつまみ加えればどうなるだろう?
今回試乗したTEZZOデモカーのトゥインゴは全長調整式車高調キットを装着し、フロント45mm/リヤ35mmのローダウンを実現。元々ボディが小さいため数値以上の視覚効果が現れ、真横から見た前後フェンダーとタイヤのクリアランスも絶妙だ。バランス的にこのくらいがベストかと思うが、もちろんサーキットユースであったりホイール交換などによって大幅な見た目変更を求めるなら、さらにミリ単位で攻めたセッティングを受け止める余地はある。
減衰力調整は前後共に15段階と幅広く、フロントは固定式ピロアッパーマウント/ボールベアリング式アッパーシート/倒立式ショックアブソーバー/別体式スタビリンクブラケット(スタビリンクは純正を使用)の構成で、リヤは正立式ショックアブソーバーM46-P2を採用する。フロントにピロアッパーマウントを用いたのはショックの耐久性アップが主目的だったが、もちろんシャープかつスポーティな応答性に貢献している。
「TEZZO全長調整式車高調キット(サスペンション)forルノートゥインゴ」を装着した効果は、スタートした瞬間に感じられた。出足がひときわ俊敏になり、ただでさえ軽い車体がなお一層身軽に感じられるのだ。出足のタイヤひと転がりは、EVを彷彿とさせるほどだ。
そしてドライブフィールとハンドリングは、実に予想を裏切らないものだった。ただ走らせているだけでもアシがよく動いているのが感じられ、ステアリングはドライバーの意図を汲みとって敏感に反応する。例えるなら、かなり硬派なライトウェイトスポーツカーの挙動か。その反動でノーマルのような落ち着きは薄まっており、常にドライブしていることを意識させる感覚は、ファミリーカーではなくスポーツカーのそれに近いと言える。
もはや一般道を走っているだけでも楽しくなるTEZZOデモカーのトゥインゴだが、これはアバルト595にも通じるフィーリングだ。もちろんこれは筆者の主観に過ぎない。このユニークな乗り味は是非TEZZOデモカーのトゥインゴを試乗して体感してほしい。